レンタルサロンとシェアサロンの違いとは？ メリット・デメリットを徹底解説
近年、サロンの開業を検討する方の間で需要が高まっている「レンタルサロン」。
しかし、レンタルサロンとシェアサロンの違いについて、よく分からないという方も多いのではないでしょうか？
本記事では、レンタルサロンとシェアサロンのそれぞれの概要やメリット、デメリットについて解説いたします。また、レンタルサロンやシェアサロンが向いている方についても紹介します。
レンタルサロンとシェアサロンの特徴について知りたい方は、ぜひ今回の内容を参考にしてみてください。
レンタルサロンとは？
レンタルサロンとは、家具や家電、施術機器が完備されたサロンスペースをレンタルできるサービスのことです。
レンタルサロンは、エステ、ネイル、マッサージなど、利用者が行いたい施術に合わせて利用できます。また、時間・週・月単位でスペースを借りられるので、日にちをピンポイントで決めて、その日だけ開業するという利用方法も可能です。
内装は、エステやリラクゼーション向けにデザインされています。フロア内が複数の個室に分けられていたり、または時間で区切られたりして、一時的に独占して営業できるのが特徴です。
ただし、ウェイティングスペースやトイレなどは共用スペースとして利用されることもあります。サロンをレンタルするときは、行いたい施術に合っているサロンを選ぶのがポイントです。
フリーランスで活動するケースが増えている昨今では、テナントを独自に契約する代わりに、レンタルサロンを活用してサロンを開業するオーナーも多くいます。
レンタルサロンが向いている方
次に、レンタルサロンが向いている方について詳しく解説いたします。レンタルサロンが自分に合っているかどうか知りたい方は、こちらの内容を参考にしてみてください。
完全個室なサロンを借りたい方
エステ、ネイル、マッサージなどのレンタルサロンは、基本的に「完全個室」や「半個室タイプ」のレンタルサロンが多いです。ただし、美容室のレンタルサロンには、営業時間内に開いている席を貸し出す「面貸し」タイプもあります。
完全個室は、四方が壁や建具で完全に仕切られています。隣の会話やお店の音はほとんど聞こえず、プライベートな空間が作られるので、お客様がよりリラックスできるのが特徴です。
一方、半個室は仕切りがカーテンやパーテンションなどの簡単なものであったり、入り口や天井は外部とつながっていたりするのが特徴です。完全個室より利用料金が抑えられるメリットがあります。ただし、リラックスした空間で施術を受けたいお客様にとっては「落ち着かない」と思われてしまうこともあるでしょう。
完全個室のサロンを借りたいと考えている方は、レンタルサロンを検索する際に、希望する条件に当てはまっているかチェックすることが大切です。
内装や備品が備わっているサロンを借りたい方
シェアサロンは内装や備品が最初から整っているケースが多いため、開業費用を最小限に抑えられます。そのため、利用者はレンタル料と消耗品などの費用を負担するだけで済むのが魅力です。
「サロンを開業したいけれど、必要なものを自分で準備しないといけないのは大変…。」と、開業にハードルを感じている方にもおすすめです。
また、店舗のイメージや雰囲気を形作る内装は、お客様に与える印象にも直結します。開業を検討している方は、実際のレンタルスペースを見ながら、イメージを膨らませることができるのも嬉しいポイントです。
シェアサロンとは？
シェアサロンとは、オープンスペースの施術空間を、複数の利用者が個室やスペースを共有して利用するサービスのこと。個室やスペースはそれぞれ独立しており、借りている時間は個人だけの専有スペースとして利用できるのが特徴です。
また、すでに営業しているサロンの空きスペースを貸し出しているケースが多いため、施術に使うベッドや道具なども揃っています。借りられる機材や設備などはレンタルして、あとは必要最低限の道具を揃えれば施術ができるので、コストを抑えられるのも嬉しいポイントです。
決められた利用料金を支払えば気軽に利用できることから、将来起業を検討している方や、期間限定でサロンをやりたいという方にもおすすめ。
シェアサロンは、長時間労働は難しかったりする方も、自分で働き方が決められるのが特徴です。自由度の高い働き方が叶うシェアサロンは、レンタルサロンと同様に、フリーランスの新しい働き方を叶えるサービスとして注目されています。
シェアサロンが向いている方
次に、シェアサロンが向いている方について詳しく解説いたします。シェアサロンが自分に合っているかどうか知りたい方は、こちらの内容を参考にしてみてください。
同業種の繋がりが欲しい方
シェアサロンを使用していると、同業種の利用者と繋がれるのがメリットです。営業中はお互いほとんど会う機会がありませんが、同じサロンを長く利用していると徐々に顔見知りが増え、コミュニティが広がります。
個人で活動するサロンオーナーは、開業したばかりの時期は特に同業種の知り合いが少なく、孤独を感じやすい傾向があります。そのため、利用者同士のコミュニティを作り、情報交換をしたり、悩みを相談したりする相手を見つけることも大切です。
シェアサロンは、自分の力も付けたいけれど、「同業種の繋がりが欲しい！」と考えている方にもおすすめです。
利用の柔軟性が高いサロンを借りたい方
シェアサロンは、自分のスケジュールに合わせて、利用する時間帯や日程を自由に決められるのが魅力。「働き方は自分次第」ですので、育児や本業が忙しい方も、勤務時間を柔軟に調整することで、長時間拘束されることなく働けます。
また、空いた時間を活用してスキルアップに取り組んだり、プライベートを充実させたりするのもおすすめ。オフの時間も充実させることで、意欲的に仕事に取り組めるメリットがあります。
自分のライフスタイルに合った働き方を選択できるシェアサロンは、「自由度の高い働き方がしたい」という方におすすめです。
レンタルサロン・シェアサロンの相場は？
レンタルサロン・シェアサロンの料金相場は、1時間当たり1,000円から3,000円程度です。
10分毎の追加料金を設けているサロンや、まとまった時間でサロンを利用する方向けの割引制度を導入しているサロンも多いのが特徴です。
立地やサービスによって、料金に幅があることを覚えておきましょう。都心部や駅近のサロンは、料金が高い傾向があります。また、機材や消耗品が使い放題のお得なサービスを導入しているサロンもあります。
レンタルサロン・シェアサロンのメリット
レンタルサロン・シェアサロンを活用することで、以下のようなメリットが発生します。
開業資金を抑えられる
内装工事費、家賃、備品代などのさまざまなコストを削減できるのは、大きなメリットです。
万が一経営が上手くいかなかったことを考えると、いきなり多額の費用を使うことに不安を感じる方も多いのではないでしょうか。レンタルサロンやシェアサロンを活用すれば、開業資金を抑え、もし売上が上がらずに閉業する場合でも、損益を最小限に抑えられます。
低コストかつ低リスクで、小さなビジネスから展開していけるのが魅力です。
自分の好きなタイミングで営業できる
レンタルサロンは、前述したとおり、自身のライフスタイルに合わせて働けるのが魅力。不動産契約のような強い縛りがなく、時間あたりの利用料を支払うだけで気軽に利用ができます。
ただし、他の人と共有しているシェアサロンは、必ずしも希望の部屋が予約できるとは限りません。特に人気のレンタルサロン、シェアサロンであれば、直近になってしまうと希望の時間帯が予約できないケースも少なくありません。
お客様には予約日時の1ヶ月前までには予約を頂くなど、余裕をもって予約をする必要があります。
個人情報を公開する必要がない
レンタルサロンを活用することで、住所等の情報を公開しやすくなります。
サロンでは、一般的に予約をした方に場所を教えて来店してもらう必要があります。また、集客用のチラシに事業所の所在地を記載することも。
サロンを自宅で開業する方は、住所の公開に抵抗を感じる方も少なくありません。住所は集客に大きく影響するため、レンタルサロンの場合は抵抗なく住所が公開しやすい点も魅力です。
業務委託よりも稼ぎやすい
レンタルサロンを利用する場合、売上をそのまま自身の利益にすることができます。給料が固定されていないため、自身の努力次第で上限なしで売上を伸ばすことができる点もメリットです。
業務委託は、サロンと施術者である個人が「業務委託契約」を締結して業務をおこなう形式です。業務委託の場合、収益は完全歩合制であることが一般的。
歩合制は利益の数％をサロンに還元しなくてはならないため、レンタルサロンに比べると収入がやや少なくなってしまいます。
レンタルサロン・シェアサロンのデメリット
レンタルサロン・シェアサロンを活用することで、以下のようなデメリットが発生します。
集客が難しい
レンタルサロンを利用する場合、実店舗のサロンとは違い、お店の存在をアピールすることは簡単ではありません。また、SNSを活用したマーケティングを利用する場合は、専門的な知識も必要になってきます。
初めは、知り合いへの告知や近隣住民に向けたチラシ配りが効果的です。サービスの満足感が高ければ、徐々に認知してもらえるようになります。さらにSNSやwebサイトを利用して積極的に情報を発信することも大切です。
細やかな事務処理を行う必要がある
売上や材料にかかった費用の計算や予約の管理などを自分で処理する必要があります。経理業務も毎日の仕事として、コツコツと根気よく続ける必要があります。
接客サービスだけでなく、細やかな事務作業を全て行わなくてはならないので、慣れていない方は負担に感じるかもしれません。
収入が安定しづらい
収入面を見ても、サロンで社員として働く場合と大きく違います。
社員であれば、店の売上に関わらず基本給がもらえます。その一方、レンタルサロンで働く場合は集客が増えるほど収入は増えますし、お客様がいなければゼロになってしまう可能性もあります。
売上と顧客数が直結しているため、毎月の収入が安定しづらい点を理解しておきましょう。
雰囲気や内装にこだわりたい方には不向き
施術するためにレンタルするだけなので、内装やインテリアなどを自由に変更できません。そのため、雰囲気やおしゃれな内装にこだわりたい方は、レンタルサロンには不向きです。
サロン空間で差別化を図ることが難しいため、演出や世界観に一歩踏み込みたい人は物足りないかもしれません。
特に、アロマやお香などにおいが強いものについては、使用ができないケースが多いです。レンタルサロンには規約が定められているので、トラブルを防ぐためにも、あらかじめ確認しておきましょう。
まとめ
今回は、レンタルサロンとシェアサロンの違い、具体的なメリット・デメリットについて解説いたしました。
1時間単位から手軽に利用でき、開業資金を節約できるレンタルサロン。自分の好きなタイミングで利用ができるので、自由度の高い働き方が叶います。また、顧客が増えれば増えるほど収入も上がり、自分の頑張り次第で収入をどんどん増やしていけるのも魅力です。
初期投資を抑えて手軽にサロンを開業したい方や、自由度の高い働き方にチャレンジしてみたい方は、ぜひレンタルサロンを利用してみてください。